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58 ◇元夫が帰還したその後で ②

作者: 設樂理沙
last update 最終更新日: 2026-02-02 00:50:15

 子供たちとの面会の日、俺は元妻の従姉弟でもあり、今の元妻の

夫でもある薫くんからとんでもないことを聞かされた。

「君と由宇子は従姉弟同士で子供の頃から親しかったと思うけど、

いつ頃から由宇子のこと、好きだったんだい?」

「昔からです。ずっと由宇子ちゃんが好きで僕、中学の時に

高校生だった由宇子ちゃんに告白してたんです」

「へぇ~、へぇ~、そりゃまたえらい大昔から由宇子のことが

好きだったんだぁ」

「由宇子ちゃんとは、映画を見に連れて行ってもらったり……

そうだ、図書館へも一緒に行ったなぁ。

 あっ、僕らよくお互いの家族同士で旅行にも行ってましたよ。

 由宇子ちゃんとはよく遊んでもらったなぁ~。

 僕の母親がね、由宇子ちゃんに薫のことお願いねって言うのが

僕が子供の頃からの口癖でした。

 よく由宇子ちゃんに言ってたから今でもよく覚えてますよ。

 だから由布子ちゃんが大倉さんと結婚するって決まった時、

僕も母もガクってきて、一日中元気出ませんでした。

 だけど由宇子ちゃんが大倉さんと別れたので、僕と母とで

由宇子ちゃんに猛アタックして結婚してもらったんですよ。

 あっ、大倉さんごめ
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    「へえ~、君のお母さん確かに最強だわ。 参ったな。 そんな最強の後釜候補が待ってるって知ってたら、俺……」「由宇子ちゃんを置いて行かなかったですか?」「そうだね、怖くて置いて行けなかっただろうね」「知らぬが仏っていうヤツですね。大倉さんが単身赴任で行ってくれてほんとに良かったですよ僕にとってはね。あっ、すみません。 でも大倉さんはそんなにダメージないですよね? 大好きな仕事に8年も没頭できたんですもんね。 由宇子ちゃんから聞いたことありますよ。 大倉さんってすごくモテるらしいですね。 すぐに大倉さん好きな女性きっと……いや絶対できますって、安心してください。 由宇子ちゃんもそう言ってましたから。『将康さんはモテるんだぁ』~って――『私はいつもやきもきさせられてその上目の届かない所へ行っちゃうでしょ? 耐えられないの、だからお別れすることにしたんだぁ~』って言ってました」 「えーっ、俺のこと嫌いだから離婚したんじゃなかったっけ? えーっ!」「由宇子ちゃん『嫌いになれないから苦しくてお別れしたのよ』って言ってましたけどね。 ずーっと心配したり不安になったりして毎日暮らすのは辛すぎるって」 俺は薫くんの言葉に、いや薫くんが語ってくれた元妻の言葉にグーの音も出なかった。 嫌いになれないって、それは好きだということだろ? 好きなのに別れるってどうなってるんだ、由宇子。 俺には理解不能だ。 あれから子供たちの面会や運動会とイベント毎に行くけれど、一緒に来なかったり、そして来た時も俺の側には絶対近付かない由宇子。 だからものすごく嫌われていると思ってた。「大倉さん、由宇子ちゃん子供だってちょうどその頃……あっ、大倉さんが単身赴任決めた頃ね、もうひとり欲しいって思ってたみたいですよ。  大倉さんには言ったの? って聞いたら『ううん、忙しい人だからなかなか。それに言う前に単身赴任決めちゃってて、益々言えなくなったの』って言ってました」 俺は何も知らなかった。 知ろうとしてなかったんだな。

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